• PagesとWorkersのどちらを選べばいいか分からない
  • PagesでもFunctionsでサーバー処理ができると聞いて違いが曖昧になった
  • 無料枠や料金、機能の違いを一覧で比較したい

CloudflareでサイトやWebアプリを作ろうとすると、最初にPagesとWorkersの選択で手が止まります。

どちらもCloudflareのエッジネットワーク上で動作し、JavaScriptやTypeScriptを使ってサーバー処理を動かせるため、違いが分かりにくく感じます。

今から新しく作るなら、静的サイトもWebアプリもWorkersを第一候補にしてください。

Cloudflareは新規プロジェクトにWorkers Static Assetsを推奨しています。HTMLや画像を配信する機能で、静的サイトだけならWorkerスクリプトを書く必要もありません。

すでにPagesで運用しているサイトは、そのまま使えます。新規開発なのか、既存サイトの維持なのかで考えると選びやすくなります。

仕様の確認日は2026年10月13日です。

目次

Cloudflare PagesとWorkersの違いを一目で判断する基準

今の状況選び方
新しくブログや静的サイトを公開するWorkers Static Assetsを使う
新しく画面とAPIを持つWebアプリを作るWorkersで静的配信とサーバー処理をまとめる
APIや定期実行だけを動かすWorkersを使う
Pagesで既存サイトが動いている現状の運用を続け、必要な機能が出たら移行を検討する

以前のように、画面があればPages、APIならWorkersという分け方では現在の機能を説明しきれません。

実は、Pagesでサーバー処理を担当する「Pages Functions」の裏側では、Workersと同じ仕組みが動いています。

Pagesにはサイト向けの公開フローがあり、Workersにも静的配信とGit連携がそろっています。新機能や最適化はWorkersを中心に進めるというのが、現在の公式方針です。

機能と仕組みの比較表

比較項目Cloudflare PagesCloudflare Workers
主な用途既存のWebサイトやPages Functionsを使うアプリ新規の静的サイト・WebアプリからAPIまで
静的ファイルの配信対応Workers Static Assetsで対応
デプロイ方法Git連携、Wrangler CLIGit連携、Wrangler CLI
自動ビルド機能Git連携で対応Workers Buildsで対応
サーバー処理Pages Functions(裏でWorkersが動作)ネイティブのWorkerスクリプト
静的配信のリクエストFunctionsを呼ばなければ無料・無制限Workerを呼ばなければ無料・無制限
サーバー処理の無料枠Workersと合わせて1日10万リクエストPages Functionsと合わせて1日10万リクエスト
定期実行(Cron)単体では非対応対応(Cron Triggers)
D1 / KV / R2バインディング対応対応

Workers BuildsはGitHubやGitLabのリポジトリと連携し、pushをきっかけに自動ビルドとデプロイを実行できます。

Git連携を使いたいという理由だけで、Pagesへ絞る必要はありません。ビルドの利用枠と、公開後の配信リクエストの無料枠は別に確認します。

既存のCloudflare Pagesを使い続けるケース

Pagesで公開済みのサイトがあり、今の機能で足りているなら、継続して運用できます。

次のような状態なら、移行作業を急ぐより既存の仕組みを維持する選択肢があります。

  • 静的サイトのビルドと公開が安定している
  • Pages Functionsのルーティングを使っている
  • チームの確認手順がPagesのプレビューに合わせて整っている

Workersを新規向けに推奨していることと、既存Pagesが使えなくなることは同じではありません。必要な機能と移行の手間を比べて決めてください。

個人ブログで広告やアフィリエイトなどの商用利用を考えている場合は、規約や注意点をまとめたこちらの記事も参考にしてください。

関連記事Cloudflare Pagesは商用利用できる?広告付き個人ブログの注意点Cloudflare Pagesは広告やアフィリエイトを載せた個人ブログにも使えます。商用利用の条件を現行規約へのリンクとともに整理し、無料サービスの禁止事項や広告側のルールを確認します。

Cloudflare Workersを選ぶべきケース

新規の静的サイトにはWorkers Static Assets、サーバー側で処理するWebアプリにはWorkerスクリプトを組み合わせます。

画面のない処理にも引き続き使えます。

  • 外部サービスからのWebhook通知を受け取って処理する
  • SlackやDiscordなどのボット用バックエンドを動かす
  • 既存サーバーの前段に置いて、URLのリライトやヘッダー書き換えを行う
  • 定期的にデータを収集・更新するバッチ処理(Cron Triggers)を実行する

静的サイトなら、Wranglerの設定でassets.directoryにビルド出力先を指定できます。Astroの静的出力なら、通常は./distが対象です。

SSRはリクエストごとにサーバーでHTMLを作る方式です。この構成では静的ファイルだけの場合と異なり、Workerの実行枠も使います。

料金と無料枠の違いに注意する

料金を見るときは、サービス名よりも、そのリクエストでサーバー処理が動くかに注目します。

Freeプランにおけるリクエスト数の扱いには、次のような違いがあります。

サービスリクエスト数の上限
Pagesの静的ファイル配信Functionsを呼ばなければ無料・無制限
Workers Static Assetsの静的ファイル配信Workerを呼ばなければ無料・無制限
WorkerスクリプトとPages Functionsの実行アカウント内で合計1日10万リクエストまで

Workers Static Assetsの料金説明では、静的アセットへのリクエストは無料・無制限です。Workerスクリプトを呼ぶリクエストには、Workersの料金が適用されます。

run_worker_firstでWorkerを先に動かす設定にすると、対象の静的ファイルを返すリクエストでもWorkerの枠を消費します。Freeプランの上限を超えると、その対象リクエストは429エラーになります。

Pages Functionsの無料枠もWorkersと共有されます。たとえば同じアカウントでFunctionsを5万回、Workersを5万回呼ぶと、その日の10万回分を使います。

この無制限は静的配信リクエストの話です。ファイル容量やビルド回数まで無制限になるわけではありません。

デプロイの世代管理や不要な履歴の削除手順については、こちらの記事で整理しています。

関連記事Cloudflare Pagesの古いデプロイを自動削除するスクリプトを作ったCloudflare Pagesはデプロイのたびに履歴が溜まっていきます。Node.jsとAPIで古いデプロイを一括削除するスクリプトを作った際の設計と、単純な日付ソートでは危険な理由をまとめます。

PagesからWorkersへ移行するときに確認すること

CloudflareはPagesからWorkersへの移行ガイドを公開しています。

管理画面で同じ「Workers & Pages」に並んでいても、プロジェクトの設定がそのまま共通になるわけではありません。

移行時には次の点を確認します。

  • ビルドコマンドと静的ファイルの出力先
  • Pages FunctionsのルーティングとWorker側の実装
  • 環境変数やデータベースなどへの接続設定
  • 独自ドメインを切り替える前の表示と動作

既存の本番サイトを残し、Workers側で同じ表示と機能を確認してから切り替えると進めやすくなります。

よくある質問

Pages FunctionsとWorkersは全く同じものですか?

実行基盤は同じWorkersのランタイムですが、ファイルの配置場所とルーティング方法が異なります。Pages Functionsはfunctionsディレクトリ配下にファイルを置くだけでファイル名に基づいたルーティングが自動生成されるため、フロントエンドと一体開発しやすい構造になっています。

WorkersだけでWebサイトを作ることはできますか?

できます。Workers Static AssetsでHTMLや画像を配信でき、静的サイトだけならWorkerスクリプトは不要です。Workers Buildsを使えばGit連携による自動ビルドとデプロイもできます。

個人ブログを立ち上げる場合、どちらがおすすめですか?

新しく始めるなら、公式が推奨するWorkers Static Assetsを第一候補にしてください。静的アセットへのリクエストは無料・無制限で、Workerスクリプトを呼ぶ処理には別の実行枠が適用されます。既存のPagesブログは継続して使えます。

まとめ:Cloudflareの新規サイトはWorkers、既存Pagesは必要に応じて移行する

Cloudflare PagesとWorkersで迷ったら、新規プロジェクトにはWorkersを第一候補にしてください。Webサイトの画面もAPIも扱えます。

  • 新しい静的サイトはWorkers Static Assetsで公開する
  • Gitからの自動ビルドにはWorkers Buildsを使える
  • 既存Pagesは必要な機能と移行の手間を比べて継続・移行を決める

静的配信が無料・無制限なのはWorkersでも同じです。SSRやAPIを使うなら、そのリクエストでWorkerが動くかを確認します。

新規サイトなら、使うフレームワークのビルド出力先を確認し、Workers Buildsのリポジトリ連携へ進んでください。

Pagesの無料枠の制限が気になる場合は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事Cloudflare Pagesの無料枠で個人ブログは運用できる?制限と注意点を解説Cloudflare Pagesの無料枠で個人ブログをどこまで運用できるのか。月500回のビルド、静的リクエスト無制限、帯域幅無制限、Functions利用時の注意点です。