2026年8月11日公開のWindows 11向け累積更新(KB5121003)を当てたあと、次の3タイトルのいずれかが起動時や対戦中に落ちる、PCが警告なく再起動する、という報告が出ています。
- ARC Raiders
- THE FINALS
- MARVEL Tōkon: Fighting Souls
Microsoftは調査の結果、原因はWindows Updateではなく、RGBライティング機能を持つ周辺機器や内部パーツが入れるinpoutx64というドライバと、これらのゲームの相性だと結論しました。
直し方はMicrosoftがすでにWindowsへ自動配信していて、該当する環境ではinpoutx64の読み込みをブロックし、その旨のメッセージを表示したうえでゲームは通常どおり起動します。
心当たりがあれば、まず設定の更新履歴でKB5121003を確認し、PCを再起動して様子を見てください。
KB5121003のアンインストールは、Microsoftが案内している直し方ではありません。
目次
- 何が起きたか:8月更新の後、対象3タイトルだけが落ちる
- Microsoftの結論:原因は更新ではなくinpoutx64ドライバとの相性
- inpoutx64とは:RGB制御やファン制御のソフトが入れる低レベルドライバ
- 対象3タイトルで対応状況が違う
- いま何をすればいいか:該当を確かめて、まず再起動
- 急ぐときの手動回避策:レジストリでinpoutx64を無効化
- この先の扱いと、まだ分かっていないこと
- よくある質問
- まとめ:KB5121003のバグではなく、RGB系ソフトのドライバとの相性問題
何が起きたか:8月更新の後、対象3タイトルだけが落ちる

KB5121003は、2026年8月11日のPatch Tuesdayで公開された累積更新です(Microsoftのサポート情報)。
対象はWindows 11 version 25H2と24H2で、全エディションが含まれます。適用後のOSビルドは、24H2が26100.9168、25H2が26200.9168になります。
この更新を当てたあと、先ほどの3タイトルで同じ症状が報告されています。内容は具体的に次の4つです。
- ゲームが応答しなくなる
- メッセージも出ずに終了する
EXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONと表示される- PCが警告なく再起動する
ここで見るべき切り分けは、落ちるのがこの3タイトルに限られているかどうかです。他のゲームやアプリも同じように不安定なら、今回の問題とは別の原因を先に疑ったほうがいいです。
Microsoftはこの問題をWindows Release Healthに登録し、2026年8月19日に扱いを開始、8月26日には「解決済み(Resolved)」へ切り替えました。
Microsoftの結論:原因は更新ではなくinpoutx64ドライバとの相性
Microsoftは調査結果として、原因はWindows Updateではないと明言しました。
原文では「this issue is not caused by Windows updates(この問題はWindows Updateが原因ではない)」とされ、関係しているのはRGBライティング機能を持つ周辺機器や内部パーツだと説明されています。
こうした機器が、inpoutx64に似た名前のドライバやコードコンポーネントをインストールします。そのドライバがある環境で対象のゲームを起動すると、この問題が引き起こされる、という流れです。
つまりKB5121003に「ゲームを壊すバグ」が入ったわけではありません。更新が引き金に見えるのは、更新後にドライバとゲームの組み合わせで表面化したためです。
Microsoftは、原因として特定の製品名やメーカー名を名指ししておらず、「この製品のRGB制御ソフトが原因」と断定できる情報もいまのところありません。
inpoutx64とは:RGB制御やファン制御のソフトが入れる低レベルドライバ
inpoutx64(InpOut32)は、ユーザーレベルのプログラムからハードウェアのI/Oポートへ直接アクセスさせるための、オープンソースのWindows用DLLとカーネルドライバで、64bit版ドライバのファイル名がinpoutx64.sysです。
この仕組みは、次のようなソフトが同梱してきました。
- マザーボードの付属ユーティリティ
- RGB制御ツール
- ファン制御ツール
- オーバークロックツール
- ハードウェア監視ツール
自分でinpoutx64を入れた覚えがなくても、光らせる・回転数を測る・電圧を見るといったソフトを入れていれば、一緒に入っていることがあります。
Microsoftの説明でも、RGBライティング機能を持つ機器がこれに似た名前のドライバを入れ、それが特定ゲームの起動で引き金になる、とされています。
対象3タイトルで対応状況が違う
同じ現象でも、タイトルごとに対応状況が分かれています。
| タイトル | 執筆時点の対応 |
|---|---|
| ARC Raiders | Microsoftの自動ブロックの対象。inpoutx64が有効かつARC Raidersがインストール済みの環境へ配信される |
| MARVEL Tōkon: Fighting Souls | 同じ自動ブロックの対象を、この環境へ広げる作業が進行中 |
| THE FINALS | Embark Studios側で解決済み |
自動ブロックがまず対象にしているのは、「inpoutx64が有効」かつ「ARC Raidersがインストール済み」という条件の環境です。
MARVEL Tōkon: Fighting Soulsだけをプレイしていて、ARC Raidersを入れていない場合は、自動ブロックがまだ届いていない可能性があります。その場合は後述の手動回避策を検討します。
いま何をすればいいか:該当を確かめて、まず再起動

まず、自分が該当するかを2つの軸で見分けます。
- 落ちるのがARC Raiders・MARVEL Tōkon: Fighting Souls・THE FINALSのどれかに限られている
- RGB制御・ファン制御・オーバークロック・ハードウェア監視系のユーティリティを入れている
両方当てはまるなら、今回の問題の可能性が高いです。どちらかが外れるなら、別の原因を先に当たったほうがいいです。
該当しそうなら、次の順で進めます。
- 「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」で、KB5121003が入っているか確認する
- PCを再起動する。Microsoftの対策は自動配信で、適用には再起動が必要
- 対策は2026年8月26日18:00(PT)を起点に、最大24時間かけて対象デバイスへ行き渡る。すぐ来ていなくても、しばらく待ってから再起動を試す
- ゲームを起動する。対策が適用されていれば、inpoutx64を無効化した旨のメッセージが表示され、その後ゲームは通常どおり起動する
- それでも落ちる場合(特にARC Raidersを入れずにMARVEL Tōkonだけをプレイしている場合)は、次の手動回避策を検討する
KB5121003のアンインストールは、Microsoftが案内する回避策ではありません。
原因は更新ではないとMicrosoftが結論しているためで、「更新を外せば直る」とはっきり言える情報も出ていません。セキュリティ更新を外す前に、まず再起動と自動対策の到着を待ってください。
急ぐときの手動回避策:レジストリでinpoutx64を無効化

自動対策を待てない場合や、企業のIT管理下にあって自動配信されないデバイスでは、Microsoftがレジストリでの手動回避策を用意しています。
IT管理下のデバイスには自動ブロックが配信されないため、管理者はこの手順で対処します。
手順は次のとおりです。
- 対象キー:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\inpoutx64 - このキーの
Startの値を4に変更して、PCを再起動する Startの4は、Windowsのサービス設定で「無効」を意味する(0=起動時、1=システム、2=自動、3=手動、4=無効)
戻すときと注意点もセットで押さえます。
- 変更する前に、
Startの元の値を必ず控えておく - レジストリの編集は慎重に行い、関係のないキーは触らない
- 変更後は再起動が必要
- ドライバを再び有効にしたいときは、
Startを元の値に戻せばよい。Microsoftは、この回避策で意図しない挙動が起きることは確認していないとしている
なお、THE FINALSを運営するEmbark Studiosは、以前inpoutx64サービスの停止・削除とinpoutx64.sysファイル自体の削除という回避策を案内していました。
これはファイルを直接消す方法で、レジストリで無効化するより後戻りしにくくなります。THE FINALS側はすでに解決済みなので、いまEmbarkの旧手順まで踏む必要はありません。
この先の扱いと、まだ分かっていないこと
Windows Release Health上のステータスは、2026年8月19日に扱いが始まり、8月26日付で「解決済み(Resolved)」になりました。
このドライバブロックは、2026年9月以降のWindowsセキュリティ更新と、それ以降のリリースにも組み込まれます。今後の更新を当てても、対策はそのまま残ります。
MARVEL Tōkon: Fighting Soulsの環境へのブロック拡大は、執筆時点では作業中です。
まだはっきりしていない点もあります。
- 影響を受けたユーザーの数や規模(Microsoftは公表していない)
- MARVEL Tōkonへのブロック拡大が完了したか
- THE FINALS側の恒久対応が具体的に何か(クライアント更新かアンチチート更新か、配信時期)
- ゲーム起動時に表示されるメッセージの正確な文言
- inpoutx64を同梱している具体的なユーティリティ名
よくある質問
KB5121003をアンインストールすれば直りますか?
Microsoftは原因がWindows Updateではないと結論しているため、アンインストールは案内されている回避策ではありません。
まず更新の履歴でKB5121003を確認し、PCを再起動して自動対策が届くのを待ってください。
急ぐ場合は、レジストリでinpoutx64を無効化する方法があります。
レジストリでinpoutx64を無効にすると、RGB制御やファン制御は使えなくなりますか?
Startの値を4にすると、そのドライバは読み込まれなくなります。
そのドライバを使っている機能は動作が変わる可能性がありますが、Startを元の値に戻せば再び有効にできます。
Microsoftは、この回避策で意図しない挙動が起きることは確認していないとしています。変更前に元の値を控えておいてください。
inpoutx64とは何ですか。自分で入れた覚えがありません。
ユーザーレベルのプログラムからハードウェアのI/Oポートへ直接アクセスさせるための、オープンソースのドライバで、64bit版のファイル名がinpoutx64.sysです。
マザーボードの付属ユーティリティやRGB制御、ファン制御、オーバークロック、ハードウェア監視系のソフトが同梱してきたため、そうしたツールを入れていると一緒に入っていることがあります。
まとめ:KB5121003のバグではなく、RGB系ソフトのドライバとの相性問題
今回は「KB5121003にゲームを壊すバグが入った」のではなく、RGBライティング機能を持つ機器が入れるinpoutx64というドライバと、ARC Raiders・THE FINALS・MARVEL Tōkon: Fighting Soulsの相性問題だとMicrosoftが結論しています。
確認するのは2つです。
- 自分が該当するか。RGB制御などのユーティリティを入れていて、落ちるのがこの3タイトルのどれかに限られるか
- 何を触るか。更新は外さず、まず再起動。急ぐならレジストリでinpoutx64を無効化し、元の値は控えておく
最初の行動は、更新の履歴でKB5121003を確認して、PCを再起動することです。ここから様子を見て、それでも落ちるときに手動回避策へ進んでください。
